心のピラッミッドをご存知ですか？ご存じないですよね。実はこれは私が考えた概念で、スタッフによく話すことなのです。

法律では自由と平等が保証されていますが、現実には、世界中で貧富や社会的地位の差もあり差別もあります。ただ、心の中で何を考えるかは自由ですし、何をどのように感じ、受け止めるかも自由です。物質の世界でも階層があるように、その人の考え方によって心の世界でも階層があると私は考えています。例えば愛情とか親切とか誠実とか、儒教的に言えば仁義礼智信のような価値観で階層を決めるとすれば、人に対して親切で誠実で愛情深い人は上の方の階層に住んでいることになります。たとえ、お金も地位もなくてもそんな心の人に会うと心が洗われるような気がします。そこに知性があり、現実的実力もあると、本当に魅力的です。美人だったりイケメンだったらもっといいですよね（笑）。また逆に、冷たく、不誠実で自分さえ良ければいいという人にはなるべく関わりたくないものですね。悪意に満ちている人は、周りの人が心から親切にしてもその親切を受け取ることができず、逆に疑って、怒る人がいます。そんなご経験、皆さんもよくあるのではないでしょうか？こういう人たちは心のピラミッドの底辺に住んでいるのかもしれません。心の世界で底辺にいる人と接した時は、とてもいやな気分になったり傷ついたりします。営業のお仕事をしている人などはそういう場面によく出くわすのではないでしょうか？本当にお疲れ様です。私はそんないやな気持になった時「ああ、この方は心のピラミッドの底辺に住んでいるんだ。かわいそうだな～。」と考えることで平常心を保つようにしていました。でもそのやり方が本当にいいのか迷いもあります。

マザーテレサさんなどは人助けに行って逆に石を投げつけられたそうですが、そのときどんなことを考えていたんでしょう？自分みたいに「かわいそうに・・・」なんて生意気なことはたぶん考えなかったのではないでしょうか。そんな話をスタッフにしたところ、いいことを教えてくれました。「院長、実はそのピラミッドの上にもう一つ別のピラミッドがあるみたいですよ。見返りとか一切考えてない人たちのピラミッドが・・・マザーテレサの心はきっとそこに住んでいたのではないでしょうか？」

「んー、なるほど。本当の医療人に必要なのはこれだな！」まだまだ修行が足りない自分に気づきました。そして、一生勉強のつもりで頑張らなきゃいけないなと思いました。