カナザキ歯科 院長ブログ「歯科道一直線」

2022/01/06

虎の子もいよいよ残り1発

コロナ禍に入り、映画館よりも自宅で映画を見る人が増えています。感染が落ち着いてもその傾向は続くでしょう。スピルバーグ監督のバックトゥザフューチャーは私の好きな映画の一つですが、映画では時間を自由に操ることができますので、タイムマシンを扱ったヒット作は少なくありません。しかし、タイムマシン映画がヒットする理由は何でしょうか?私は未来に対する不安と期待、過去に対する後悔とノスタルジアではないかと考えています。「諸行無常」、「光陰矢の如し」などの言葉がありますが、誰も時間に逆らうことはできず平等に時は流れています。

12年前にある人から「年男」の原稿依頼があったとき「虎の子の2発」というタイトルで投稿させていただきました。「寿命を考えると、年男の文章をあと2回しか書けない。だからいい時間の使い方をしたい」という意味のことを書いた記憶があります。あっという間に2発のうちの1発が消え失せた今、過ぎた12年間は悔なく充実していたでしょうか?この12年間を誰かに語るとき、聞く人の目を輝かせることができるでしょうか?
20代の10年間はチャレンジの連続ですから面白おかしい話ができます。しかしこの12年間の私は朝から晩まで仕事と教育に忙殺されてきました。それが悪いとは思いませんが、もっと自分の魂を躍動させたかったという思いが残ります。特段、何もせずに12年が過ぎ去った感じです。このぶんだと、また一瞬で72歳になり、瞬く間に臨終を迎えるでしょう。果たして、その時にやり切ったと思えるのだろうか?「もっと魂に刻み込むような日々を送りたい」そんな気がしてなりません。

子供のころは全ての時間を自分のために使えました。大人になると夫、父親、歯科医師、院長、役員など様々な役割ができるので自分の事として実感できる時間が少なくなります。人によってその比率は違いますが私の場合は1日が数十分で終わるように感じています。You-tuberの鴨頭嘉人さんは「心の矢印を相手に向けよ」と語ります。自分以外のことに時間を使ってしまい充実感が足りないという私は心の矢印が自分に向いているのです。本当に相手に向いていれば、すべてのことが喜びとなり自分の世界も充実するはずです。最後の1発はそうやって使い切りたいですね。