カナザキ歯科 院長ブログ「歯科道一直線」

お知らせ

2021/05/01

デジタルデンティストリーの進化 その2

最近、治療をしていて本当にアッと驚かされることが多くなってきました。デジタル技術の進化により、今まで大変な思いをしてどうにかこなしていた仕事が、簡略化でき、回数も少なく、スピードも速くなるケースがどんどん増えているのです。

デジタルデンティストリーの一つであるワンデートリートメントについては、以前この「もみの木通信」でも書いたことがあります。

歯を削ったあと口腔内スキャナーで歯の形を記録しCAD/CAMで削り出し、その場でセットする。確かにこれもすごい技術です。以前には考えられないことでした。しかしそれは歯一本単位の治療に限られるのです。今回の話は1本単位でなく、1顎単位つまり下の顎全部とか上の顎全部の話です。

こういうのをフルマウス治療と言いますが、歯科医としても、かなりの技術が必要になりますし、かぶせ物を作る技工士にも相当な技術が求められます。治療行程も複雑で来院回数もかなり多くなります。しかしこのような難しい場合でも口腔内スキャナーでスキャニングすると比較的簡単に型取りができコンピューターとCAD/CAMを使って作成すると、型取りから完成まで最短2回で治療が終わります。しかも精度もなかなかのものです。ただし型取りまでの仮歯の調整などの前準備は手作業ですから4回ほどかかりますので、合わせると全行程で6回はかかります。それでも従来法に比べると半分以下の回数で済みますので、奇跡的なほどの短縮と言えるでしょう。この方法がどんな症例にも適用できれば理想なのですが、残念ながらそこまで便利になるにはあともう少しかかりそうです。でもそれはもう夢の話ではなく、ほんの5,6年先の話だと思います。もう少しお待ちください。忙しい方にも治療回数でご苦労をおかけしない時代がもうそこまで来ています。