カナザキ歯科 院長ブログ「歯科道一直線」

日記

2014/03/25

タクシー運転手さんから聞いた歯の金属アレルギーの恐怖

先日、友人とともに歯科の勉強会に参加するために大阪に出張した時のことです。
現地でタクシーに乗車しました。運転手さんはいかにも大阪人という感じの人で、気さくで楽く、ギャグを連発しながら運転していました。私たちも少しはギャグで応じましたが、全く圧倒されていました。会話の中で私たちが歯科医師であることを知ると、なぜか運転手さんの様子が今までとは変わり車内は重々しい空気に包まれました。
「そうでっか?おたくら歯医者さん。私なあ、今、大阪歯科大学に治療に通ってんやけど、ひどい金属アレルギーに悩ませられてまんねん。とにかく夜になったら、全身がかゆうて、痛うて、寝れないんですわ、かとゆうて、かいたらかいたで今度は真っ赤に腫れ上がって痛みがひどうなってどうしようもない。一時はうつ病になって仕事が全く出来んかった。調べてみたら原因は保険の銀歯。パラジウムや。奈良医大の先生に調べてもろたんや。おたくら歯医者は治療の前にもっと説明をせないかんと思うよ!こんな体になるかもしれんとわかっとったら高くてもいい材料で治してもらうんやった。ほんまに後悔しとるんや。絶対に絶対にちゃんと説明してほしいんや。私の名前だしてもろてもかまんさかいに。患者さんにちゃんと説明してほしいんや。わたしは福○○○言いますねん。」
当にコテコテの大阪弁でした。目的地に到着した後「これ見てください。写メとってもろてもかまんから」といってベルトを緩めシャツをあげて脇腹を見せてくれました。赤くまだらになったおなかの皮膚は痛々しく悲鳴をあげているようでした。
ドイツでは人体に使用することが禁止されている金銀パラジウム合金(銀歯の金属)ですが日本では戦後まもなく国民皆保険制度が施行された際、ゴールドの代替金属として取り入れられて以来今日まで広く歯科治療に使用されてきました。
保険治療でかぶせものを希望される方にはどうしてもこの金属を使わざるを得ませんが、当院ではかぶせものや詰め物の治療を行う際には必ず体に無害なセラミックのご説明もするように心がけております。
ご心配な方がおられましたらお気軽にご相談ください。