歯科医師臨床研修 Aプログラム

カナザキ歯科の歯科医師臨床研修 Aプログラムについて

医療法人仁和会カナザキ歯科「歯科医師臨床研修Aプログラム」は、1年間を通して行うプログラムです。
12か月間、カナザキ歯科(管理型臨床研修施設)にて研修を行い、その期間内の5日間は愛媛大学医学部附属病院にて研修、5日間は九州歯科大学附属病院にて研修を行ないます。

カナザキ歯科の研修プログラムの特色

カナザキ歯科のプログラムは、小児から成人、高齢者の各年齢層に対応した基本的は歯科診療能力をより効率的に習得できるように企画している。研修歯科医が卒前臨床教育で学んだ態度、知識、技術を踏まえ、当院理念である「患者様の一生を考えた歯科治療」に基づき、良質で適切な歯科医療を提供し得る歯科医師の生涯研修の第一歩として、全ての歯科医師に求められる高い倫理観ならびに基本的な臨床能力を身につけることを目指している。1年間の限られた期間内で一口腔単位の診療が行えるように、指導歯科医が一人一人に治療計画の立案から経過観察まで指導する体制をとっている。

臨床研修の目標

A.歯科医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)

(1) 社会的使命と公衆衛生への寄与
歯科医師としての社会的使命を自覚し、患者及びその家族に対しての説明責任を果たしつつ、社会の変遷に配慮した公正な医療の提供及び公衆衛生の向上に努める。

(2) 利他的な態度
患者の苦痛や不安の軽減と福利の向上を最優先するとともに QOL に配慮し、患者の価値観や自己決定権を尊重する。

(3) 人間性の尊重
患者や家族の多様な価値観、感情、知識に配慮し、患者のプライバシーを守りつつ、尊敬の念と思いやりの心を持って接する。

(4) 自らを高める姿勢
自らの言動及び医療の内容を省察し、常に資質・能力の向上に努める。

B.資質・能力

(1) 医学・医療における倫理性
患者中心の歯科医療を提供するために診療、研究、教育に関する倫理的な問題を認識し、適切に行動できる能力を身につける。
① 人間の尊厳を守り、生命の不可侵性を尊重する。
② 患者のプライバシーに配慮し、守秘義務を果たす。
③ 倫理的ジレンマを認識し、相互尊重に基づき対応する。
④ 利益相反を認識し、管理方針に準拠して対応する。
⑤ 診療、研究、教育の透明性を確保し、不正行為の防止に努める。

(2)歯科医療の質と安全の管理
患者にとって良質かつ安全な医療を提供するために、医療安全対策を理解し、患者にも医療従事者の安全性にも配慮できる能力を身につける。
① 医療の質と患者安全の重要性を理解し、それらの評価・改善に努める。
② 日常業務の一環として、報告・連絡・相談を実践する。
③ 医療事故等の予防と事後の対応を行う。
④ 歯科診療の特性を踏まえた院内感染対策について理解し、実践する。
⑤ 医療従事者の健康管理(予防接種や針刺し事故への対応を含む。)を理解し、自らの健康管理に努める。

(3) 医学知識と問題対応能力
正しい診断の基に、最適な歯科治療を行うため、最新の医学及び医療に関する知識を獲得し、自らが直面する診療上の問題について、科学的根拠に経験を加味して解決を図る。
① 頻度の高い疾患について、適切な臨床推論のプロセスを経て、鑑別診断と初期対応を行う。
② 患者情報を収集し、最新の医学的知見に基づいて、患者の意向や生活の質に配慮した臨床決断を行う。
③ 保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画を立案し、実行する。
④ 高度な専門医療を要する場合には適切に連携する。

(4) 診療技能と患者ケア
患者の苦痛や不安に配慮しながら、一口腔単位の歯科診療を行うための臨床知識と技能を習得する。
① 患者の健康状態に関する情報を、心理・社会的側面を含めて、効果的かつ安全に収集する。
② 診察・検査の結果を踏まえ、一口腔単位の診療計画を作成する。
③ 患者の状態やライフステージに合わせた、最適な治療を安全に実施する。
④ 診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を、適切かつ遅滞なく作成する。

(5) コミュニケーション能力
歯科診療を円滑にすすめるためのコミュニケーションスキルを向上させ、患者の心理・社会的背景を踏まえて、患者やその家族と信頼関係を築く能力を身につける。
① 適切な言葉遣い、礼儀正しい態度、身だしなみで患者や家族に接する。
② 患者や家族にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で説明して、患者の主体的な意思決定を支援する。
③ 患者や家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する。

(6) チーム医療の実践
患者の状況に的確に対応した医療を提供するために、医療従事者をはじめ、患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し、連携に必要な知識・技術・態度を習得する。
① 歯科医療の提供にあたり、歯科衛生士、歯科技工士の役割を理解し、連携を図る。
② 多職種が連携し、チーム医療を提供するにあたり、医療を提供する組織やチームの目的、チームの各構成員の役割を理解する。
③ 医療チームにおいて各構成員と情報を共有し、連携を図る。

(7) 社会における歯科医療の実践
歯科医師としての社会的役割を果たすために医療の持つ社会的側面の重要性を踏まえ、各種医療制度・システムを理解し、地域社会に貢献する能力を身につける。
① 健康保険を含む保健医療に関する法規・制度の目的と仕組みを理解する。
② 地域の健康問題やニーズ把握など、公衆衛生活動を理解する。
③ 予防医療・保健・健康増進に努める。
④ 地域包括ケアシステムを理解し、その推進に貢献する。
⑤ 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要について理解する。

(8) 科学的探究
自らの治療を評価して、問題点・疑問点を整理することにより医学及び医療における科学的アプローチを実施するために、学術活動を通じて、医学及び医療の発展に必要な知識、態度を身につける。
① 医療上の疑問点に対応する能力を身につける。
② 科学的研究方法を理解し、活用する。
③ 臨床研究や治験の意義を理解する。

(9) 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
歯科医師が医療の質の向上のために、日々の診療を省察し、他の歯科医師・医療従事者と共に研鑽しながら、後進の育成にも携わり、生涯にわたって自律的に学び続ける習慣を身につける。
① 急速に変化・発展する医学知識・技術の吸収に努める。
② 同僚、後輩、歯科医師以外の医療職と互いに教え、学びあう。
③ 国内外の政策や医学及び医療の最新動向(薬剤耐性菌等を含む。)を把握する。

C.基本的診療業務

1.基本的診療能力等
[行動目標]
① 患者の身体的・心理的・社会的背景を考慮した上で、適切に医療面接を実施する。
② 全身状態を考慮した上で、顎顔面及び口腔内の基本的な診察を実施する。
③診療所見に基づいた検査を選択し、実施する。
④ 病歴聴取、診察所見及び検査結果に基づいて適切な臨床推論のプロセスを経て、歯科疾患の診断を行う
⑤ 診断結果に基づき、患者の状況・状態を総合的に考慮した上で、考え得る様々な一口腔単位の診療計画を検討し、立案する。
⑥ 必要な情報を整理した上で、わかりやすい言葉で十分な説明を行い、患者及び家族の意思決定を確認する。
⑦治療の結果を指導医に報告する
⑧症例報告(ケースプレゼンテーション、症例報告書)を行う。

(2)基本的臨床技能等
[行動目標]
① 歯科疾患を予防するための口腔衛生指導、基本的な手技を実践する。
② 下記に示す一般的な歯科疾患の対応に必要な基本的治療及び管理を実践する。
 a.歯の硬組織疾患
 b.歯髄疾患
 c.歯周病
 d.口腔外科疾患
 e.歯質と歯の欠損
 f.口腔機能の発達不全、口腔機能の低下
③ 基本的な応急処置を実践する。
④ 歯科診療を安全に行うために必要なバイタルサインを観察する。
⑤収集したバイタルサインにより全身状態を評価する。
⑥診療に関する記録や文書(診療録、処方箋、歯科技工指示書等)を作成する。
⑦ 医療事故の予防に関する基本的な対策(知識と技能)について理解し、実践する。

(3)患者管理
[行動目標]
①歯科治療上注意が必要となる全身的な疾患、服用薬剤等について説明する。
②患者の医療情報等について、必要に応じて主治の医師等と診療情報を共有する。
③歯科診療時に起こり得る併発症や偶発症に対する基本的な対応法を説明する。
④全身状態に配慮が必要な患者に対し、歯科治療中にバイタルサインのモニタリングを行う。
⑤患者教育と治療への動機づけを実践する。

(4)患者の状態に応じた歯科医療の提供
[行動目標]
①ライフステージに応じた歯科疾患の基本的な予防管理、口腔機能管理を実践する。管理、口腔機能管理について理解し、実践する。
②妊娠期、乳幼児期、学齢期、成人期、高齢期の患者に対し、各ライフステージに応じた歯科医療を実践する。
③ 在宅療養患者等に対する訪問歯科診療を経験する。

2.歯科医療に関連する連携と制度の理解等

(1) 歯科専門職の連携
[行動目標]
① 歯科衛生士の役割を理解し、予防処置や口腔衛生管理等の際に連携を図る。
② 歯科技工士の役割を理解し、適切に歯科技工指示書を作成するとともに、必要に応じて連携を図る。
③ 多職種によるチーム医療について、その目的、各職種の役割を理解した上で、歯科専門職の役割を理解し、説明する。

(2) 多職種連携、地域医療
[行動目標]
①地域包括ケアシステムについて理解し、説明する。
②地域包括ケアシステムにおける歯科医療の役割を説明する。
③在宅療養患者や介護施設等の入所者に対する介護関係職種が関わる多職種チームについて、チームの目的を理解し、参加する。
④ 訪問歯科診療の実施にあたり、患者に関わる医療・介護関係職種の役割を理解し、連携する。
⑤ 歯科専門職が関与する多職種チーム(例えば栄養サポートチーム、摂食嚥下リハビリテーションチーム、口腔ケアチーム等)について、その目的及び各専門職の役割を理解した上で、チーム医療に参加し、関係者と連携する。

(3) 地域保健
[行動目標]
① 地域の保健・福祉の関係機関、関係職種を理解し、説明する。
②保健所等における地域歯科保健活動を理解し、説明する。
③ 歯科健診を経験し、地域住民に対する健康教育を経験する。

(4) 歯科医療提供に関連する制度の理解
[行動目標]
① 医療法や歯科医師法をはじめとする医療に関する法規及び関連する制度の目的と仕組みを理解し、説明する。
②医療保険制度を理解し、適切な保険診療を実践する。
③介護保険制度の目的と仕組みを理解し、説明する。
④医療廃棄物を適切に分別、処理する。

プログラム責任者の氏名

医療法人 仁和会 カナザキ歯科 院長 金﨑 伸幸

研修を行う施設の概要

01.
管理型臨床研修施設
1)施設名医療法人仁和会 カナザキ歯科
2)所在地愛媛県松山市南梅本町甲878番5号
3)開設者院 長  金﨑 伸幸
4)管理者院 長  金﨑 伸幸
5)臨床研修施設長
 (歯科医師研修管理委員会委長)
院 長  金﨑 伸幸
6) 研修プログラム責任者院 長  金﨑 伸幸
7)指導歯科医院 長  金﨑 伸幸
8)事務担当者副マネージャー  千葉 友美
9)施設の概要
 (2023年4月1日 現在)
歯科医数: 常勤8名
ユニット・チェアー数: 17台
02.
協力型(Ⅱ)研修施設
施設名: 愛媛大学医学部附属病院・九州歯科大学附属病院

プログラムの管理運営体制

歯科医師臨床研修管理委員会を設置し、プログラムの管理運営を行う。

1.歯科医師臨床研修管理委員会の名称と構成

名称: 医療法人仁和会カナザキ歯科 歯科医師臨床研修管理委員会
構成: 院 長     金﨑 伸幸
    副院長     髙橋 隼平
    副マネージャー 千葉 友美
   

協力型(Ⅱ)臨床研修施設の研修実施責任者
内田 大亮(愛媛大学医学部附属病院 歯科口腔外科 教授)
北村 知昭(九州歯科大学 歯学部 歯学科 口腔機能学講座 口腔保存治療学分野 教授)
外部委員
寺下 正道(公立大学法人 九州歯科大学 名誉教授)
河野 文昭(国立大学法人 徳島大学 教授)
佐々木 義幸(一般社団法人 歯科業務標準化機構)

研修期間、場所、研修内容

(1)研修期間は令和5年4月1日から令和6年3月31日までの1年間とする。

(2)愛媛大学医学部附属病院での研修(主に全身管理の研修)については、9月中の期間内で5日行う。九州歯科大学附属病院での研修(マイクロスコープを用いた治療に関する研修)については2月中の期間で5日間行う。

(3)Aプログラムの研修期間は以下のとおり

<各研修期間>

管理型施設(カナザキ歯科):12か月。この期間内に協力型(Ⅱ)臨床研修施設(愛媛大学医学部附属病院)にて5日間の研修を行う
3月末に当院での1年間の研修成果発表、総括を行う。

研修歯科医の募集定員並びに募集及び採用の方法

(1)募集定員: 1名
(2)募集方法: 公募
(3)応募必要書類: 履歴書、卒業(見込み)証明書、成績証明書、健康診断書
(4)選考方法: 書類審査、面接、実技試験、筆記試験
(5)マッチング利用: 有
(6)募集期間: 4月1日から
(7)選考期間: 7月1日から

研修歯科医の処遇に関する事項

(1) 勤務体制:常勤
(2) 研修手当:25万円/月
(3) 勤務時間: 1週間の勤務は40時間内とし、シフトによる週休2日制
 月火水木金 : 9:30~18:30(休憩時間1時間)
 土   : 9:00~18:00(休憩1時間)
(4)休暇:祝日・盆・年末年始
(5)年次有給休暇:勤務半年後より10日
(6)時間外勤務:有  当直:無
(7) 研修歯科医のための宿舎:有(家賃は原則として全額当院負担だが自宅から通える場合は要相談)
(8)診療所内の室:有(上級歯科医師共有)
(9) 社会保険・労働保険等
 公的医療保険:歯科医師国保
 公的年金保険:厚生年金
 労働者災害補償保険:有
 雇用保険:有
(10) 健康管理に関する事項 : 年1回健康診断有(費用本人負担:無)
(11) 歯科医師賠償責任保険:病院で加入済
(12) 外部の研修活動
 学会・研究会等への参加:可
 学会・研究会等への参加費用負担:無(応相談)

問い合わせ先

医療法人仁和会カナザキ歯科 事務担当:千葉
〒791-0245 愛媛県松山市南梅本町甲878-5
【TEL】089-970-4182